2023/10/13 16:00
お出かけしたくなるような陽気が心地よい季節ですね。
季節の変わり目で一日の寒暖差も激しい季節なのでお洋服選びも難しい季節です。
第27回Puccele JOURNALでは、そんな不安定な季節にもおすすめなシルクについてご紹介します。
高級素材の代名詞ともいえるシルクですが、漠然と良いものなんだろうという認知はされているものの、あまりその効果や特色が知られていない部分もあります。
まず皆さんご存知かと思いますが、シルクは蚕が吐き出した糸で作られる繭から紡がれた、動物性繊維と呼ばれる天然素材です。ウールやカシミヤも同じカテゴリーです。
シルクの魅力というのはたくさんありますが、まずは糸の太さから。
蚕は、1000-1500mもの糸を吐いて一つの繭を作ります。その糸は非常に細く、目を凝らしてやっと見えるほどです。これは天然繊維の中で最も細いです。
繊維が細いとどのようなメリットがあるかというと、生地になった時に滑らかな肌触りになります。凹凸が少ない生地になるので摩擦が減ることで、お肌への刺激が軽減し、敏感肌の方やダメージ肌の方にも着て頂きやすい素材になります。
他にもやわらかく、しなやかな風合いになったり、一着に対しての重さが軽くなるので、着用感のストレスが減ります。
また、細い繊維で凹凸が少なくなる上に、繊維の断面が三角形であるため、光を多く反射し、シルクならではの独特な光沢があります。
シルクは、糸が細いことで、なめらかな肌触りに美しい光沢、肌に馴染む柔らかさから軽さまでいいことずくめの素材なのです。
次に人の肌に近い成分ということです。シルクはたくさんのアミノ酸で構成された弱酸性のタンパク質繊維です。
人の肌も弱酸性のタンパク質から構成されており、他の天然繊維の中でも類を見ないほど、非常に人の肌と近く相性のいい素材なのです。肌と同じ弱酸性なので肌のphバランスを崩さず、肌を悪玉菌から守るだけでなく、うるおいを保ったり外部からの刺激を防ぐ効果もあります。
シルクに含まれるアミノ酸を抽出した化粧品や、シルクのナイトキャップなど、人の肌や髪に触れる場面でも多く活躍していますよね。
最後に、シルクは繭からできているということ。繭は本来蚕が蛹になる際に、外から身を守るために作るものです。デリケートな蛹を守ることができるだけの機能が備わっているのです。
その最大の機能が吸放湿性と体温調節機能です。蛹が乾燥しすぎたり冷えすぎたりしないよう、繭にはそういった機能があります。吸水性は綿の1.5倍とも言われ、放湿性も非常に優れているので余分な水分を飛ばしつつ、適度な水分を保ってくれるのです。そのため、汗をかいても乾きやすく、乾燥しすぎることも蒸れることも無く着て頂けます。
また、シルクは非常に細い繊維ですが、その中には多くの空気が含まれています。そのため、繭の中と外に空気の壁を作り、快適な気温にしてくれるのです。
シルクには他にも、紫外線吸収機能があります。一般的に薄くて吸放湿性・体温調節機能に優れたシルクは、夏場の紫外線対策にも活躍しています。
デメリットとしては、やはりお手入れに少し注意が必要です。天然の繊細な素材のため、ドライクリーニングしかできないお洋服なども多くあります。Pucceleで展開しているシルク天竺シリーズ、シルクフライスシリーズ、シルクスムースシリーズは、手洗いのほうが傷みにくく長く着て頂けるので推奨しておりますが、ネットに入れて中性洗剤で洗濯機で洗うことができます。
また、紫外線を吸収する効果があると前述しましたが、シルクは紫外線を反射するわけではなく、吸収することで紫外線から守っています。そのため天日干ししてしまうと劣化が加速し、黄色く変色してしまいます。シルクならではの滑らかさや光沢も損なわれてしまいますので必ず陰干ししてくださいね。
Pucceleでは、シルク天竺シリーズ、シルクフライスシリーズ、シルクスムースシリーズという3種類のシリーズのシルクのアイテムをご用意しています。
シルク天竺シリーズはスリップとキュロットペチコートの2型です。表側が滑らかな編み地になるため滑りが良く、スリップやペチコートに最適な素材です。
シルクフライスシリーズは八分袖、ノースリーブ、ロングボトムの3型です。非常に伸びのいい編み地なので着心地が良くストレスなく着て頂けます。シルク天竺シリーズのヌードピンクと色味を揃えていますので、シリーズを横断してコーディネートして頂けます。
シルクスムースシリーズは現在カップ付きキャミソールの1型のみとなっております。比較的肉厚で名前の通り滑らかな素材感が特徴的です。こちらのみ中国産の商品になります。
シルクの温度・湿度の調節機能は非常に優れているので、一年中の着用もおすすめです。蚕自体は日本では春~秋口に育てられているようです。
真冬にシルクのインナーだけでは寒いかもしれませんが、防寒インナーの下に着ることで敏感なお肌をシルクで守りつつ寒さ対策をされているというお客様のお声も多いです。
シルクは確かに比較的高価な素材ですし、お手入れに注意が必要ですが、それでも今まで愛され続けるにはそれなりの理由があったのです。
長い歴史の中で、世界中の人々がシルクに魅了されてきました。それは現代に至るまで続き、人工シルクの開発を目指して生まれたのがレーヨンなどの素材です。レーヨンが誕生してから100年以上が経ちますが、シルクは未だに愛され続ける素材です。それはやはり、シルクには替えの効かない魅力があると感じている人が多くいるからでしょう。
そんな何にも代えがたい魅力たっぷりのシルク、是非一度素肌に重ねてみてください!
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