2023/02/24 16:00

まだまだ冷えますが、寒さのピークも落ち着き、段々と春に向けて日が落ちるのが遅くなってきましたね。
お花屋さんには春の花々が並ぶようになりました。

今回のJOURNALでは、今SSシーズンのテーマをお伝えしていきます。

今シーズンのテーマはSymbiosis。直訳すると「共生」「共存」といった意味になります。なんだか壮大なテーマにも思えてくるワードですが、今回Pucceleがイメージするのは、人の日々の暮らしと植物の関係にフォーカスしています。

日本では、古来より五感で自然を感じ、情緒豊かに暮らしてきました。紅葉や花見、食材で季節の移ろいを繊細に感じ取ってきたことは俳句などからも感じることができますね。都会に生きる忙しい現代の日本人にとっては、当時ほど植物に触れる機会は多くはないでしょうが、それでも日常のいたるところで目にすることがあるかと思います。
街路樹や植え込み、ご近所の庭木などはもちろん、窓辺に飾った花に心が和んだり、気持ちや想いを込めて花束を贈ったり、旬の野菜や果物を食したり、 好きな果物の季節を待ちわびたりと、無意識に多くの植物と触れる機会が、そしてそれらに心通わす機会があるのではないでしょうか。そういったことがささやかな喜びになっていたり、癒され、救われている方も多いことでしょう。
今回はそのような身近なところにある人と植物の関係を題材にしています。

今シーズンは制作プロセスにも多くのこだわりがあり、生地はオーガニックコットンを 100%使用しています。 植物で溢れる健やかな土地や美しい水を守り共存していくためにも、こうした環境にやさしい取り組みを続けていきたいと考えています。

カラーレンジは 甘い香りの花々と瑞々しい果実から得た美しい4色。ボタニカルダイと呼ばれる染色方法を採用しました。植物の花びら・葉・茎・種・実・根などから抽出した色素を使用し、植物の美しさをそのまま閉じ込めたような方法です。今回はそれぞれキンモクセイ・クチナシ・イチジク・レモンを使用し染色しています。どれもボタニカルダイの魅力が十分に発揮された、柔らかく美しい色に仕上がっています。
ボタニカルダイは植物の自然な色合いが美しいだけでなく、 染料や水の使用量を大幅に減らすことができ、生産過程における環境への負担を軽減することができます。また、今回採用したボタニカルダイは最新の安全な化学染料と融合したものですが、そうすることで従来の草木染では難しかった鮮やかな色出しを実現し、草木染の課題であった色落ちや色移りも軽減されているのです。

デザインは、時代やトレンドにとらわれずに魅せられてきた植物の不変の美しさのように、シンプルでタイムレスなものに仕上げました。一見派手にも思える色ですが、シャープなデザインと自然の色で主張せず、扱いやすい色になっています。

当たり前に存在し、季節や喜びを知らせてくれていた身近な植物たちが今後も当たり前のものであり続けるように。私たちに何ができるのか、今一度考えるきっかけになればと思います。

オーガニックコットンでボタニカルダイ、まさに自然からの贈り物のようなボタニカルダイシリーズは4月にデビューの予定です!Instagramにてシーズンルックや最新情報を掲載予定なのでお見逃しなく。